診断項目のご説明

血液検査

血液検査は、1回の採血から数十項目にわたる測定が可能です。その中には赤血球や白血球の数や形などをチェックする血液一般検査、病気により発生した抗原抗体反応の様子を探る血清学的検査、血液中のたんぱく質、糖質、酵素などの成分の他、脂質関係、肝機能、腎機能を調べる生化学的検査があります。

尿検査

 腎臓は、血液によって体中から運ばれてきた不用物を余分な水分とともに尿として排泄します。従って、体のどこかに異常があると、排泄されるべきものがされていなかったり、排泄してはいけないものが尿にまじってしまったりします。
 尿検査は、尿中の各種細胞、タンパク、糖などによって体の基本情報を探る検査です。尿検査は腎臓や膀胱の異常、糖尿病、肝臓病、膠原病、骨髄腫、悪性腫瘍などを発見する手がかりとなります。

血圧測定

 私達のからだには、すみずみまで血管が張り巡らされており、心臓のポンプ作用によって新鮮な血液が送られています。血圧とは、心臓が送りだしている血液が血管に加える力(圧力)のことをいい、心拍出量(心臓の収縮によって出される血液量)と全末梢血管抵抗の積で表せます。心臓が収縮する時の血圧を収縮期血圧(最大血圧)、拡張する時の血圧を拡張期血圧(最小血圧)といいます。
 血圧は、個人差がありますが、体調や時間、季節や天候によっても変わります。
 自分の健康な時の血圧を知っておくと、その数値からズレた時、高血圧症、動脈硬化、大動脈瘤、心筋梗塞、脳出血などのいわゆる生活習慣病の発見・診断に有効となります。普段からチェックしておきましょう。

眼底検査

 眼底検査とは、眼球の網膜の部分を観察する検査です。網膜とは、私たちが目で見たものを映し出すスクリーンのようなもので、光を感じる神経細胞が密集しています。このスクリーンに異常があると様々な視力障害が生じます。
 同時に網膜を走る細い血管(動脈と静脈)が明瞭に観察されますが、人間の体の中で、直接血管を観察できるのは、唯一、眼底だけです。従って、この血管の動脈硬化の程度を見ることで、全身の動脈硬化の程度を推測することができるのです。特に、高血圧、糖尿病、高脂血症などの動脈硬化の合併の程度を評価するのに、大変有益な検査なのです。
 検査は、最新の眼底カメラを使用して無散瞳で撮影しますので、苦痛なく一瞬のうちに行えます。

安静心電図検査

 安静心電図検査は、心臓の筋肉(心筋)が収縮したり拡張したりする時に出る微弱な電気を記録するものです。虚血性心疾患における心筋異常の有無や不整脈、電解質異常、治療薬投与の効果、副作用の判定などに大切な検査です。

ホルター心電図検査

ホルター心電図検査は、携帯型の装置を装着し、24時間連続的に心電図を記録して、安静心電図や運動負荷心電図検査ではとらえられない心臓の異常(不整脈等)を見つける検査です。

運動負荷試験

 運動負荷試験は、運動をして誘発される心電図の変化から虚血性疾患の有無・重症度評価、治療効果や予後の判定をするものです。この他、リハビリテーションやスポーツのメデイカルチエックなどにも利用されます。
 運動負荷試験の負荷方法は、動いているベルトの上に乗って、ベルトが動く方向とは反対方向に歩いたり、あるいは走るトレッドミルや固定式の自転車のペダルをこぐ自転車エルゴメータ、踏み台を昇り降りする踏み台昇降テストなどがあります。

心臓超音波検査 (心エコー検査)

 超音波検査は、人間の耳には聞こえない高い周波数の超音波を心臓に当て、返ってきた反射波を画像化するものです。腫瘍等の異常の有無や心臓の形・動き・弁の状態等をモニターで観察でき、簡単に行え、苦痛がまったくない安全でかつ診断に非常に有用な検査です。

腹部超音波検査(腹部エコー検査)

 超音波検査は、非常に高い周波数の超音波を腹部に当て、返ってきた反射波を画像化するものです。消化管以外の内蔵(肝臓・胆のう・膵臓など)の病変の有無を検査するのに適しています。なお、放射線を用いた検査とは異なり、簡単に行え、苦痛がまったくない安全な検査です。

内視鏡検査 (胃カメラ検査)

 内視鏡検査は、内視鏡(ファイバースコープ)を挿入して、食道・胃・十二指腸・大腸などを直接観察し、癌が疑わしい病変があれば組織を採取(生検)することができる検査です。早期の胃ガンなどの病変は、外科的に開腹手術をしないで内視鏡下に病変部を切除し、検査と治療をかねることができる利点があります。

X線検査(レントゲン検査)

 誰もが一度は撮影されたたことがあると思います。X線(レントゲン)検査は、体を通過した後のx線をフィルムにあて感光させることにより画像化するものです。X線は、骨や心臓などは通過しにくいため、フィルムに骨や心臓は白く映りその形がよく判ります。この検査により、肺がん、肺炎、気管支炎など肺の病気の他、心臓肥大、大動脈瘤なども見つかります。

X線透視検査 (造影検査)

 造影検査には、胃・十二指腸透視検査や注腸X線検査があります。胃や腸はそのままでははっきりと写真に写りませんので、造影剤(硫酸バリウム)を入れて胃や腸がよく写るようにしてから写真を撮ります。

CT検査

 CT(コンピューター断層撮影)検査は、人体を360度にわたり、X線で体内の情報を画像化するもので、病変の位置や大きさを確実に把握できます。検査自体は、痛みや刺激が全くありません。

MRI検査

MRI(核磁気共鳴イメージング)検査は、磁石を利用し体内の情報を画像化するものです。人体のあらゆる角度の断面像が得られ、脳、脊髄などの情報をより細かい部分までとらえることが出来ます。検査中は大きな音がしますが心配はありません。

脳波検査

 脳波検査は、頭皮上に電極を装着し、脳細胞の電気活動を波形にして表します。体に何の影響もなく、痛みもありません。この検査は、てんかん、腫瘍、脳血管障害などの中枢神経障害、精神科領域の精神障害、意識障害などを対象とします。

呼吸機能検査

呼吸機能検査は、電子スパイロメーターを用いて努力性肺活量や一回換気量、1秒率などを測定し、呼吸機能の異常を発見・確認します。