脳卒中機能回復評価システム
脳卒中機能回復評価システム(Recovery Evaluation System:RES)は、脳卒中患者の機能回復を予測するためのシステムとして、東北大学医学部附属リハビリテーション医学研究施設鳴子分院にて開発されました。
このシステムは、個人特性に関するデータ、入院時の神経学的データ、身体的データ、認知・知的機能データなどをコンピュータ入力することにより、脳卒中 患者様の4・8・12週間後の機能状態(言語・知的機能、粗大運動技能、上肢機能、日常生活動作)を高い精度で予測することが可能となります。図には点線 で予測値、実線で実測値が示されます。
● 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
HDS-Rは、1974年に長谷川らによって開発されたものであり、おおまかな知能障害の有無と程度を調べるものです。
● ミニメンタル・ステート(MMSE)
MMSEは、入院患者用の認知障害の測定を目的としてBaltimoerのJohns Hopkins大学のFolstein夫妻が開発したものです。
● 標準失語症検査(SLTA)
SLTAは、失語症の有無、重症度、失語タイプの鑑別診断を行う検査で、聴く、話す、読む、書く、計算の5項目からなります。
● 運動年齢(MAT)
MATは、Johnson MK(1951)によって発表された運動機能、動作能力を知能指数と同様にして比較し得るスコア・指数で表す検査です。
● バーセルインデックス(BI)
BIは、1965年にBarthelらが発表した日常生活動作の改善を判定することを目的に使用するもので、脳血管障害者や脊髄損傷者など性別・年齢を問わず、あらゆる疾患に用いられています。
● 脳卒中上肢機能検査(MFS)
MFSは、東北大学リハビリテーション医学研究施設・鳴子分院で開発されたもので、脳卒中患者の早期リハビリテーション、神経学的機能回復の時期における上肢運動機能の経時的変化を測定・記録する目的で使用されます。
現在は、酒井医療株式会社からRES-4が販売されており、以下の文献に詳しく紹介されています。
■ 中村隆一・他(編):脳卒中の機能評価と予後予測 第2版.医歯薬出版,1997
■ 中村隆一・他(編):脳卒中のリハビリテーション 第2版.永井書店,2002